銭湯お遍路93湯目 深川温泉 常磐湯@森下 江東区
僕が銭湯サウナが好きなのは、全てが好意的に捉えられることなんや。ストレスフリー。
ラグジュアリーなサウナ施設は、どうしても「従業員の教育はどうなっているんや!」「殺風景なデザインやな、刑務所か」「タオルはおひとり1枚までって書く必要ある?」「どこのシャンプーやねん。髪の毛に大丈夫か?」「サウナの湿度が低いわ」「水風呂、もっと下げてくれや」と、結構腹が立つことが多くて、癒やされに来たはずが、本末転倒になることがしばしばある。というか、ほとんど。書かないけどね。どうしても厳しい視点で観察してしまう。
でも、銭湯は違う。全てプラスの視点。そう、古い町中華やな。脂ぎって黒ずんだ小さな赤いテーブルに壊れそうな丸椅子に座って、小さなコップで633を手酌でグイッとやったら、それで十分。
「ここの餃子、案外うっまいなあ!当たりやったな」とか喜びがあふれる。それやねん銭湯は。
この銭湯サウナは、そういう贔屓目なしでも、ごっつい良かった。自分の暫定3位に食い込んだ。今までの順位は、1位 雑色「たかの湯」2位 西新井「堀田湯」3位 錦糸町「小金湯」だった。4位は、中野「松本湯」鶯谷「萩の湯」椎名町「妙法湯」八丁堀「湊湯」あたり。
黄金湯と同じサウナ料金が500円。それなら、この常磐湯が勝ちか。今日はバスタオル、少タオル付きの1,160円セット。
清澄白河と森下の中間で少し森下が近い。で、森下に人生初下車。カレーパン発祥の店「カトレア」の前を通り「のらくろーど」の逆に入り、もうちょっと。
なかなか興味深い、もと深川区。江戸っ子の街。この地の出身の先輩は、匕とシの区別が本当にない。(砂町の別の人に言わせると、江戸っ子気取りで、今どき、わざとやっていると。笑)
写真のように昔ながらの宮造りの銭湯をできるだけそのままで、天井までちゃんと改装している。天井の高さは久しぶりに見る高さ。
ペンキ絵は、中島盛夫や丸山清人の流れを受けつつ、インパクトのある新しい明るい色調の富士山。一瞬、誰だろうと思うが、田中みずきさんしかいない。ついに脱皮し守破離の離に到達。これは価値がある。調べたらやはり田中みずきさんだった。
錦糸町の黄金湯を意識した感じで、お風呂に音楽がかかっている。80年代の爽やかな感じの曲。サーファーブームの頃の湘南のカフェにいるようで、ここどこやねん?ってちょっとこそばゆい気分にさせてくれる。笑
お風呂は、炭酸湯やシルキー湯など豊富で、露天には新たに掘削した温泉と水風呂とサウナ!温泉には電気風呂もある。言うことなし。
さて、前座のサウナ。ガスストーブで、オートロウリュ(蒸気)とオートアウフグース(送風)の一体化した機械が横にちんまりと鎮座。3回サウナに入ったけど、全てオートロウリュを体験できたので、5分毎ぐらいに設定しているかも。
それが結構長い。水のシャワーが2回流れ落ちファンが回る。それが2回連続。5分間続くと説明書き。風は上方から天井を伝い背中に回り、直接体には来ない。
でも熱い。後半はかなり熱い。一回目は水通し(サウナの前の水風呂)を忘れていたので、初めから熱かったので、後半の途中で撤退。7分ぐらいで水風呂に。
メインの水風呂は、今日は暑かったので15度。サウナイキタイでは、確か14度だったが、自分の理想の水温。それでもバイブラ(気泡)で、温度の羽衣が剥げ落ち、体の所々は結構冷たい。
水風呂は速攻で1分半でととのい出す。サウナも水風呂も、ものすごく短時間で効率的。
水風呂のすぐ横のととのい椅子が空いてたので、いちばん重要なデザートの休憩。そこでニルバーナ。
この外気浴スペースがいい。ととのい椅子も多く床もきれい。壁も昔からの岩や植物で癒やされる。風が流れ、お香も焚いてある。一番は、機械音がなく、静かなこと。
アサヒのスーパードライの缶ビールの350mlが300円。中生が500円。銭湯にしては少しお高いけど、まあしゃーないな。生をぐぐぐいーっと喉が気持ちいい。
受付は若い女性で、ビールを頼むときに、ペンキ絵は誰が書いたんですか?ってなんとなく気を使って聞いてみらた、困った様子で「知らないです」って。そんなの興味ないわな汗。
でも、後で絶対にオーナーに聞くと思う。銭湯の奥深さが分かって、仕事に誇りを持てるはずや。
というわけで、すごくいい銭湯だけあって、昼間から大賑わいでした。でも、サウナでひとりの時間もあったし、順番待ちをすることはなかったので、完全にストレスフリーでした。
久しぶりに、心身ともに完璧に「ととのい」ました。
(2023年6月16日14時入湯)