宝乃湯@宝塚市 兵庫県

こちらの温泉は、有馬温泉と同じ「黄金泉」。しかも、源泉かけ流しという贅沢。
太閤・豊臣秀吉も同じ泉質に浸かったと思うと、歴史の趣が感じられる。再建を手がけた中山寺も近くにある。
最寄りは阪急宝塚線「中山観音」駅。176号線を山本方面へ歩く。広い歩道を気持ちよく進むと、八幡神社が見え、その斜め向かいに駐車場の看板が小さく見えた。見落としそうなほど控えめ。駅からは約1キロ。JR「中山寺」駅からならもっと近い。
黄金泉は、源泉を自然に冷ます仕組みで、上下二段の湯船に分かれている。上段は高温。小ぶりながら風情があり、4人ほどが入れる。湯口の周りには湯の成分が結晶化し、蜂の巣のようにこびりついている。透明な掛け流しの湯に手を入れてみると驚くほど熱く、思わず引っ込めてしまった。空気に触れることで酸化し、湯が黄金色に変わるという。
東京・練馬の「久松湯」にも黄金泉があるが、あちらは土の匂いがした。こちらの湯は、有馬と同様、鉄の香りと強い塩味。さまざまな成分が溶け込んでいるのがわかる。底は見えず、湯中のザラザラした階段が足に痛い。注意が必要。
館内にはほかにも、ジェットバス、炭酸泉、壺湯、白湯などが揃う。
サウナは、塩サウナとフィンランド式サウナの2種。今回はフィンランド式を選んだ。
サ室は、詰めれば50人ほど入れそうに広い。マットが間隔を空けて敷かれ、20人程度なら快適に過ごせる。三段構成で、最下段の温度計は80度。最上段は90度ほどだろう。最上段がもっとも心地よく感じた。名はフィンランド式だが、やや乾燥気味。
12分入ったあと、水風呂へ。4人ほどの広さで、深さは90cm。体感では13度ほど。よく冷えていて申し分ない。後頭部まで沈めて1分半。脳がじんわりと「ととのい」始める。2分で上がり、軽く身体を拭いて椅子に座る。目を閉じると、ドーンとニルヴァーナが訪れる。寒さを感じたので室内の湯へ戻ると、その感覚がさら続く。
3セット目のサウナ室は午後5時半。利用客が急に増えた。熱波師登場かと思いきや、オートロウリュが始まった。自然対流式で、柔らかな熱が広がる。
調べたところ、オートロウリュは毎時30分に実施されている。10分ごとであればいつでもロウリュに出会え、湿度もさらに快適かもしれない。
3セットとも、しっかりととのった。
風呂上がりのビールは、キリン一番搾りの生。大サイズで830円。やや高めだが、量はしっかりある。入浴料は950円。手ぬぐいは150円で買取。
有馬まで足を運ばずとも、「太閤の湯」にリーズナブルに浸かれるのはありがたいね。