吉の湯@杉並区
銭湯お遍路80湯目
ついにやってもうた。
私はプロサウナーを自称し、誇りに思っていました。
プロサウナーの条件は、どんな条件でもととのうということ。
もうひとつは、サウナを生業にしていること。
この2つを兼ね備えた私は、正真正銘のプロサウナーでした。
しかし、ついに”ととのわなかった”のです。
ここは、ドラマ「サ道」に出てきた銭湯サウナ。駅から遠いので、なかかな行けなかった。平日に行くのは、流石に罰が当たりそうなので、日曜日に行ってきた。自宅から1時間半かかった。小旅行。
五日市街道の起点「新高円寺」から、街道沿いに1キロほど下り成田東3丁目の交差点を左に曲がる。高台感を感じつつしばらく歩く。知ってるところでは祐天寺界隈を歩いているような風景。眼下に都庁の上部がちらっと見える瞬間がある。
住宅街に溶け込むようにその吉の湯はあった。和食屋のチェーン店のような感じ。「わ板」まで、あと20分。4名の先着が。開店時には20名ほどになっていた。
サウナ込みで900円。少タオルとサウナ料金を払った証明になる黄色いバスタオルを渡される。
さてお風呂に。体を洗おうと石鹸を探したが見当たらず。そのへんの人に石鹸はないんですかと聞くと、ないという。下調べと違うけど仕方ない。
体を拭き、服をもう一度着て小銭を持って番台に。石鹸とシャンプーを頼むと、サンプル品のようなもの手渡された。お金を払おうとすると、無料とのこと。
気を取り直して、お風呂に戻り体を洗う。そしてサウナの看板を発見しそちらに向かう。外だった。サウナの入り口を見つけ、いざサウナへ。混んでる。なんでや?サウナの整理券は2番だったはず。石鹸を取りに行ったのが響いたのか。なんとか下の段の端に座る。すぐに上段があいたので、すかさず移動。
下調べでは80度って書いてあったけど、98度。大きなガスストーブ。でも、鼻は痛くない。壁にある説明書きでは適度な湿度を機械的に足してるとのこと。コンフォートサウナと名乗るだけはある。確かに最低限の30%ぐらいの湿度がキープされている。初めて感じたが、足先が温かい。これが遠赤外線の効果なのか。
今日(2022年5月29日)は真夏のように暑い。そのせいか一瞬で汗が出る。でも、わりと高温にも関わらず体の芯が温まった感じが薄い。しまった!水通しを忘れていた。夏場は一旦冷やしてから心地よく体温を上げていくのが、ととのいへの道。心拍数が上がった感じもないが、10分経ったのでとりあえず水風呂に。
水温計は古くて当てにならないが、18度ぐらいか。バイブラにしてあるので体感的には16度ぐらいに感じる。ミントの匂いがする。少し長めに2分半(指を折りながら数えているだけで適当)ほど過ごすが、ととのい出す感覚はない。
外気浴で一気に来るかと期待しながら、椅子に座る。あんなに暑かったのに、風が冷たく心地良い。外気浴を楽しむのは夏の方がいいかも。長くいられるから。しばらくぼーっとしていたが、うんともすんとも。
2回目、体が冷え湿度が低く結露がないので肌はカラカラ。5分ほど汗が出ず。やっと腕にきれいに並んだツブツブの汗を久しぶりに見る。12分でも心拍数が上がった感じはない。でも、これ以上いると体に悪そうなので、水風呂へ。ととのい出す感じを待つが、人が多くなって来たので出て、ととのい椅子に。いつまで経っても何も起こらず。
3回目、サウナは、14分に。心拍数は上がらずだが、サ室を出て水風呂でととのい出すまでいたいが、あまり長く水風呂にいるのも迷惑なんで、ととのい椅子へ。頭を左右上下に揺らし、ととのいを引き出そうとしたが、うんともすんとも。
サ道で偶然さんが寄付した設定の寝椅子が3脚あったが、混んでいて最後まで体験できず。
なにもかもアカン。
憧れのサウナ銭湯ということで、気合を入れて遠出したのが逆にアカンかったのか。もっと自然体でサウナと向き合うべきなのか。
弘法も筆の誤り。こんな日もある。しかし結構な衝撃。
まあ、2日前にホームサウナできっちり、ととのったばかりなので仕方ないか。ビールでも飲んで帰ろう。
しかし、ビールも売っていなかった。もう、踏んだり蹴ったり。
コンビニで缶ビールを一気飲みして駅に向かうと書店があった。気になっていたタナカカツキさんの最新の本を検索してもらったら、なんとありました!「サ道、ととのい果に」が。それを読みながら電車に揺られていると、ドラマ・サ道の締め言葉の「サウナを信じるな」という言葉がこだまする。
サウナに過度な期待をしてはいけない。汗を流せばそれだけで十分気持ちいいではないか。水風呂もあんなに気持ちよかったではないか。それでええやん。
今日はヤクルト1000を飲んだより、もっと深い眠りにつけるだろう。